タミフル耐性A/H1N1pdm

イギリスの研究者さんが外来インフル患者からもタミフル耐性A/H1N1pdmが見つかったとの報告。
昨シーズンのタミフル耐性A/H1N1pdmは全例が免疫抑制状態か入院患者だったことと比較して、市中にもタミフル耐性ウイルスが拡がっている可能性(+)
市中インフル患者に占める耐性ウイルス感染者はおよそ0.8%(3/364)であり、これが10%を超えるようだとガイドラインの書き換えが必要ではないかとの提案。
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/influenza/swineflu/news/feb0311resist.html

これ読んで気になったのは、タミフル耐性ウイルスの定義はどうなっているのかということ。
感染患者から採取したウイルスの遺伝子配列を見て、あくまでもin vitroでタミフル耐性を判定しているのか。
それとも実際に患者にタミフル投与してin vivoタミフル無効の判定をしているのか。
full textを読めば書いているのかもしれないけども、リンク先のnews記事だけでは分からない。
なんでそんなことを気にするかと言えば、思い出すのは昨年薬剤師会学会のランチョンセミナーで講演してくれた先生のお話。
いわく、遺伝子配列的にはタミフル耐性とされるウイルスであっても、患者の年齢によってはタミフルが通常通り効果を発揮するケースも多いとのことだからだ。
これには患者側の免疫反応が絡んでいる可能性が云々というお話であり、これが事実であればリンク先の研究者さんたちの言うような10%超えた時点でのガイドライン改訂の必要性というものも乏しくなることになる。
増えたとはいえ現在日本で使えるインフルエンザ治療薬は経口3種に点滴1種のみ。
そのうち最も実績豊富なタミフルが使えるか使えないかというのは大きな問題であり、その使用を制限するという判断は慎重になされるべきであろう。