ペラミビル治療患者からH275Y耐性ウイルスを検出

肺炎により入院した5歳の幼稚園児、flu A/Bともに(−)、マイコプラズマ(+)にてマクロライドで治療。
入院3日目に呼吸状態が悪化したため再度迅速診断キットを使用、flu A(+)となり、ラピアクタ点滴。
その後ステロイド等で治療して9日後に退院。
ラピアクタ点滴4日後の咽頭ぬぐい液を横浜市衛生研究所にてPCR検査及びウイルス分離が行われた。
その結果、オセルタミビルに対するIC50が約260倍、ペラミビルに対するIC50が約60倍上昇していた。
ザナミビル、ラニナビルに対するIC50は変わりなかった。*1

IC50の60倍上昇が臨床的にどの程度問題になるかは何とも言えないよう。
また、H275遺伝子の変異がタミフルラピアクタの交叉耐性を招くものの、リレンザ、イナビルの耐性には影響しないことは以前から指摘されていた通りであったという実例。


やはり個人的にはコンプライアンスの心配も耐性の心配もしなくて済むイナビルが一押しなんだが、どうもイナビルを残さず吸うのはなかなか難しい印象もある。
1吸入につき2回と言わず3回でも4回でも吸いこむべきだろう。